日経キャリアマガジン

上場企業の7割が採用時にTOEICのスコアを参考に

英語力を証明するテストでまず思い浮かぶのがTOEICテストだろう。日本では年間約230万人が受験、企業では「新入社員が入社時に一斉に受験する」「社員の自己啓発の目標値とする」「昇進・昇格の要件とする」といったかたちで盛んに利用されている。外資系企業・グローバル企業向けの転職求人サイト「キャリアクロス」の斉藤政之専務取締役は「TOEICは英語資格試験の中では企業の人事担当者に最もよく知られています。応募者を選別しなければならないとき、人事担当者としては、履歴書にTOEICの高スコアが書かれていると、『この応募者は英語ができる』として社内で推薦しやすいのです」と話す。

日本国内でTOEICテストを運営するIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)の「上場企業における英語活用実態調査ー2013年」によると、回答企業228社の約70パーセントが採用時に「TOEICスコアを参考にしている」「参考にすることがある」と答えている。そのうち、入社時に期待される平均スコアは新入社員で565点、中途採用社員で710点だ。また、約16パーセントの企業が「異動、昇進・昇格の要件にしている」とあり、要件スコアの平均は部長で580点、課長で550点となっている。さらに「グローバル化に伴う業務遂行に必要なTOEICスコア」では全社員に対する期待スコアで平均600点、国際部門で平均750点である。

以上のデータから、おおむね新卒採用や昇進・昇格では600点、中途入社や英語を使う仕事であれば少なくとも700点が必要と言えよう。

TOEICでは正確な文法知識や幅広い語彙力が問われる。そのため、外国人と流ちょうに話ができる人でも、文法が苦手でTOEICスコアが低いというだけで、人事担当から評価してもらえなくなる恐れがある。

これに対して斉藤専務は、「外資系などではTOEICのスコアだけにこだわらないところもあるので、もしTOEICで高いスコアが取れていなければ、留学経験値をアピールしたり、高得点を取れた他の試験のスコアを出してみてもいいと思います」とアドバイスする。